Manual Medicine 大場 弘 Blog 

マニュアルメディスン(徒手医学療法)は全身をトータルに捉え身体の連関性を追求する医学です。
ここではマニュアルメディスンによる治療法や、症例などをご紹介していきたいと思います。

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機能神経学の講義から
 

脳が疲れる

 

土日で15時間、Dr. Carrick Instituteが主催する機能神経学の講座を担当しました。数か月前から少しずつ準備をしてきていましたが、さすがに疲れるものです。脳が疲れるとどうなるかを、機能神経学の理論さながら、身をもって体験できました。今回のテーマは自律神経でしたので、脳の疲労が自律神経をとおしていかに全身に影響するかがわかります。

 

Dr. Carrickの機能神経学の中心的な概念となりますと、Hemisphericityという言葉をよく使います。Hemisphereは半球という意味ですから、大脳半球の状態ということになるでしょう。したがって、Decreased hemisphericityとなりますと、大脳半球機能低下の状態と訳すことができます。平たく言いますと脳が疲れた状態のことも当てはまります。幸い、疲労だけでしたら自律的に回復することができますのでまだ安心です。

ストレスや疲労が蓄積していきますと、自律的な回復もなかなか困難になってゆきます。本格的な大脳機能低下となりますと、複雑な事情が絡み合ってゆきますので、症状も多彩になってゆくわけです。一つ一つの症状をとりあげて、いろいろ各科をまわっても難しいわけです。

 

さて私の状態でしたが、朝は下痢っぽく続けてトイレに駆け込まなくてはいけませんでしたし、なにか気持ち悪さがありました。電車の中で座って、講義に使う検査器具の一つパルス・オキシオメータ(脈拍と酸素飽和濃度の測定器具)を指につけて見てみますと、酸素飽和濃度が95と、けっこう低い状態です。血中の酸素が本当に低いのか、あるいは末梢の血流がわるいということです。いつもコーヒーの飲み過ぎから鉄分が足りなくなっていることもあるかもしれません。脈拍もじっと静かにしていると80くらいですが、ちょっと動くだけで、脈が90代へと上がってしまいます。ちょっとしたことで頻脈になりそうです。

帰りの電車の中では、座って本を読もうとすると、すぐにめまい感のような気持ち悪さが出てきます。車酔いのような感じかもしれません。右眼の瞼の横がピクピクと線維束攣縮を起こしています。

講義が終わっても、頭の興奮が抜けていないようで、すぐに寝付けず、朝も夜明け前から目が覚めてしまいました。

 

このように、脳の疲労は自律神経を妙に不安定な状態にしています。

脳は交感神経をコントロールして、必要なところへ血液が配分されるようにはたらいています。脳が疲れると、この働きに支障がでてくるのです。脳幹の網様体によって制御されなければならない交感神経がところどころで亢進しやすくなるのです。

 

進化の段階で水中生活している生き物であったときには、副交感神経だけで充分であったのでしょう。陸上に上がって重力のもとで生活するようになって、多大なエネルギー代謝がおこなわれるようになり交感神経が付け足されたのです。

驚異的な進化を遂げた人間の脳は、副交感神経と交感神経をうまく操って、限られた血液を必要なところへ効率よく分配させ、酸素やエネルギー源を供給します。これが循環機能です。

 

脳は全身のことを考えて、脳幹に理にかなった働きをさせてくれれば問題はないのですが、最初に述べた大脳機能低下の状態にありますとそうはいかなくなります。

 

脳はほか身体を犠牲にしてまでも、自らへの血液供給を優先させようとする自己中心的なところもあるのです。大脳皮質が過剰な活動をすると、交感神経を介して全身の血管の平滑筋を緊張させ、血流を速やかに脳に循環させようと心臓にどんどん仕事をさせてしまいます。脳が十分な活動ができるためには、じつは中脳のバックアップが不可欠なのです。大脳皮質の一部と中脳がタッグを組んで、交感神経を亢進させます。過剰な交感神経の活動は、副交感神経的な協調的な働きを乱すことになります。

 

小脳の話もしておきましょう・・

 

身体活動に密接な結びつきのある小脳は、脳幹の橋延髄部分にあるさまざまな中枢核に影響を与えています。たとえば、身体のバランスにかかわる前庭神経核や、副交感神経の代表格である迷走神経に影響をおよぼします。小脳に混乱があれば副交感神経のさまざまな中枢を巻き込むことになるのです。脳に行く血流が影響を受けることになるかもしれません。

 

左の小脳半球は右の前頭葉と、右の小脳半球は左の前頭葉と交叉するかたちで結びついています。なにか感情的ことで頭がいっぱいになっていると、左の小脳も混乱してきます。そうしますと左右の小脳半球がたがいにバランスをとることができず、シーソーが傾いたような状況になってしまいます。

 

私の場合には、言語的・論理的に優位な左側の大脳皮質が過剰に働いたわけですから、右側の小脳もまたハイになっていたことでしょう。小脳が混乱すれば脳への循環も乱れていますし、前庭神経を巻き込んでめまい感をもたらすのです。

副交感神経もまた過剰に作用しますと、胃腸にも影響が出てきます。腸の蠕動運動が亢進して下痢っぽくなったり、めまい感といっしょになって気持ち悪さも出たのでしょう。

 

片側だけを酷使することは左右のバランスを崩すことになります。

脳もバランスよく働かせることが大事ということになります。
左脳を酷使したら、右脳を楽しませるような趣味が必要です。
感情的なことで悩んだら、クールに自分を見つめなおす余裕があると良いのでしょう。

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コメント
from: あさのやすひと   2010/12/14 11:51 PM
大場先生久しぶりです!

目の横のピクピクは脳の疲労からきてたんですね・・・

近いうちに、診察お願いします!
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