Manual Medicine 大場 弘 Blog 

マニュアルメディスン(徒手医学療法)は全身をトータルに捉え身体の連関性を追求する医学です。
ここではマニュアルメディスンによる治療法や、症例などをご紹介していきたいと思います。

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アヴィセンナ 『医学典範』


ずいぶん前ですが、檜學(ひのきまなび)先生になんどかご講義をいただいたことがあります。檜學先生はたいへん偉いお医者さんで、京都大学の教授や島根医科大学の学長も務められました。ご専門はめまいなどを扱う耳鼻咽喉科に属するかと思いますが、平衡バランスに関わる神経学の大家でもあります。

 

退官後は、第二のライフワークとしてイスラーム医学の文献を翻訳されてきました。そして文献の翻訳が完成され、この私ごときに、厚さ5cmにもなる重厚な本を送ってくださったのです。

 

アヴィセンナ『医学典範』(第三書館):イスラーム医学の理論と臨床的知見を集大成した日本語訳の大著です。

 

イスラム教とアラビア語を基盤にした中世のアラビア文明と言いますと千夜一夜物語が有名ですが、アラビア数字で知られているようにギリシア文明を引き継ぎ科学の発達もめざましいものがあったようです。とくに医学の発達は、アヴィセンナ『医学典範』として結実したそうなのです。

 

こうした事情も知らず、どうして現代医学を修めた大家が中世の医学に関心をもって翻訳にあたっていたのだろうと、実は不思議に思っていたのです。

 

私は、科学とは大海に浮かぶ島々のような気がしていたのです。大海に散らばった島々のように散り散りで、分かっていることはごく一部だろうと思っているところがあります。

 

檜先生は長いこと現代医学に携わってくるなかで、科学という島々の間を満たす大海を意識されていたのではないかと勝手に推察してしまっていました。

 

私事で恐縮ですが、理性や言葉では理解できないところの暗黙の知に、触診を通して治療という場で感覚的に接近したいという衝動が常にあります。感覚的なことも単に五感的ななことではなく、なにかエネルギー的な存在に触れることで深い知覚が生まれくるような感じがしています。

こうした深い知覚と直感の基に、合理的な医学が築かれていったのだろうと勝手に想像してしまっていたのですが・・・

 

ところが、このアヴィセンナ『医学典範』を見てゆきますと、私の勝手な生ぬるい想像を拒絶するように、超然とした医学の規範を示しています。

 

科学に対峙し、目に見えない世界を求めるにあたっても、私たちにも厳しい態度が要求されているような気がしました。

徒手医学の構築においては純粋な感覚が不可欠です。そしてそれを探求する精神は、科学のように厳しいものでなければならないと・・・

 

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