Manual Medicine 大場 弘 Blog 

マニュアルメディスン(徒手医学療法)は全身をトータルに捉え身体の連関性を追求する医学です。
ここではマニュアルメディスンによる治療法や、症例などをご紹介していきたいと思います。

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治療の後に痛みが
 

痛みと向き合う患者さん

 

しばらく治療にいらしていなかった患者さん

犬を散歩させているときに、不意に犬に引っぱられて転倒し、大腿骨頸部を骨折してしまったとのことでした。

賢明な判断で、転倒後は動かずにいたおかげで骨折が複雑化しなかったそうです。

それでも手術を受けて5週間の入院が必要と医師に告げられたそうですが、2週間で出てきました。理学療法の先生のリハビリを受けた後、さらに自分でおこなう宿題をもらって()ハビリに励んだそうです。日頃、施術中に私が呼吸と脳のはたらきについて話していたため、そのことも参考にいかに早く回復できるか工夫して励んだせいか、なんと2週間で退院できたというのです。

 

久しぶりでしたが、また私の施術を受けにやってきました。

この方は施術中、話が止むことがありません。本当はリラックスしてぼんやりとしてもらった方が、身体の呼吸がでやすいのですが、話したい人もいますので、その時々の流れのままにいつも施術をおこなっています。

 

さて、施術も終わりにかかる頃、骨折直後の強い痛みが出てきたと言うのです。

 

治療家にとって困惑させられる状況です。

治療を受けに行ったのに痛みがでてきたとなると、患者さんは不安になりますし、治療家も何をやったらいいのか困惑してしまうのです。こうしたケースはきっと、先生方はだれでも経験していることではないでしょうか。治療家はたいてい自分の施術のせいかと考えてしまうのですが、お医者さん達はけっしてそうは思わないようですが。

 

もちろん、激しい施術のために組織を痛めてしまうことがあるでしょうが、身体呼吸療法のように、ただ触れているだけの施術で激しい痛みがでてくるわけですので、なにか身体の論理があるはずです。

 

幸いにも、この患者さんの場合には、とても賢明な判断をしてくれました。

それは、すぐに救急車で運ばれてから、局所麻酔で痛みをそれほど感じずにきたために、痛みときちんと向き合っていなかったと言うのです。そのために、今、脳が本来のとるべき道筋を認識しなおしているのではないかと、逆に私に教えてくれるほどでした。

 

以前に私のブログで、視覚と体性感覚の不一致と題して、住谷昌彦先生の「複合性局所疼痛症候群に対する認知神経リハビリテーションとそのメカニズム」について紹介したことがあります。そのなかでRSD (反射性交感神経性ジストロフィー)のメカニズムとして、視覚情報と腕の筋肉や関節からの身体感覚(固有感覚)の不一致に起因するという話を書きました。視覚情報と体性感覚情報が一致しないとき、感覚の意味づけ、いわば脳での解釈が変わってしまうという論理でした(http://obahiroshi.jugem.jp/?search=RSD+)。

 

施術の後の痛みの再現もこれと似たような論理があるのかもしれません。

傷害を受けて本来あるべき痛みが麻酔によって遮断され、痛みのないままに細胞レベルで治癒しても、神経システムにおいては釈然としないかたちで可塑的な変化が起きていたのでしょう。それが施術によってあらたに気づかされたために、関節や筋肉からの情報を伝える太い神経線維の固有感覚と、痛みを伝える細い神経線維の関係に再構築が必要とされているのかもしれません。

 

太い神経線維による固有感覚のサブシステムが、細い神経線維の伝達を抑えているという本来のあり方(メカニズム)を、再構築しているのかもしれません。何日かして、身体は再構築に成功するかもしれません。それまでの我慢なのでしょう。

 

幸い、今回の患者さんはとても理知的にご自分の状況を観察することをポジティブにとらえてくださったおかげで、辛くても、なんの不安も覚えずに数日を過ごしてもらえました。痛みが解消していました。

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コメント
from: しいたけ   2013/09/01 8:24 PM
初めまして。ブログ拝見させて頂きました。しいたけと申します。数ヶ月前に右足にCRPS1型を発症しました。現在は遠絡治療と痛み止め服用、自己流リハビリをしています。最近認知神経リハビリの存在を知りこちらに辿り着きました。
すごく興味があるので、何とか受けてみたいと考えています。先生はどちらの病院でこの治療をされているのですか?また九州でしたら、同じ治療はどこで受けられますか?
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