Manual Medicine 大場 弘 Blog 

マニュアルメディスン(徒手医学療法)は全身をトータルに捉え身体の連関性を追求する医学です。
ここではマニュアルメディスンによる治療法や、症例などをご紹介していきたいと思います。

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脳のデフォルト・モード
 

脳のデフォルト・モードについてこのところ調べていますが、なかなかすっきりとは理解ができないでいます。新しい資料をもとに、とりあえず自分なりに理解できたところをまとめてみました。

 

脳のデフォルト・モード・ネットワークは、意識的に集中して行う課題を与えたとき、fMRIで観察されるところの脳の活動低下がみられる領域(ネットワーク)のことでした。

脳が意識的にいわばアクティブな活動をするときに、なぜ逆に活動が低下するネットワークがあるのか、たいへん困惑させられる事象がでてきたわけです。

 

MRIなどで研究を行うときに、目を開けて与えられた課題に集中している状態を脳のアクティブな状態としています。それに対してコントロールとして、目を閉じてぼんやりとしている状態は脳の休息状態として、アクティブな状態からコントロールを差し引き、その差違から課題遂行に関わるアクティブなネットワークを割り出そうとしたわけです。ところが基準としたコントロール状態よりもアクティブな状態で、活動が低下する領域(ネットワーク)が出てきたということで、これはいったいどうゆうことなのかと研究者は困惑したのです。

 

私たちは、外界に目を開き意識的な活動を行っているとき、脳はフルに活動しているものと勝手に思ってしまっているわけです。ところが目を閉じてぼんやりとしているときでも、脳は休むことなく、ほとんどフルに活動しているということを認識させられたのです。両者の状態でのエネルギー消費の差はたかだか5%未満であることがそれを物語っているわけです。それがアクティブな脳の活動時に逆に休むように活動を低下させるネットワークがあったのです。

 

目を閉じてぼんやりとしているとき活動している脳のネットワークを、デフォルト・モード・ネットワークと呼んでいるのですが、デフォルト・モードという用語は、コンピュータのシステムで最初に設定されているままの標準仕様という意味からきているようです。

したがって、外界から刺激が無くても、本来の脳に内在する自発的な活動という意味になります。

 

脳は外から刺激があろうと無かろうと、ほとんどフルに活動していることが明らかになりました。デフォルト・モード・ネットワークは、頭頂葉と前頭葉の内側領域、それに頭頂葉と側頭葉の外側領域にありますが、このネットワークは目を閉じてぼんやりとしているときに活動していますが、意識的に集中して課題をこなしているときには、そのための大脳皮質の活動に道をゆずるかたちで、デフォルト・モード・ネットワークの活動は低下するとも考えられるのです。

 

YouTubeMarcus E. Raichleがインタビューで語っている映像がありました。私たちはなにをするにも自分というものを意識せずに行えることが自然で健康的でもあるでしょう。ところが鬱の状態では、自分自身に関わる思考が止むことなく執着し続きます。デフォルト・モード・ネットワークは、self-referential thoughts(自己を言及する思考)に関わると語っています。したがってなにか我を忘れて没頭し集中していると、デフォルト・モード・ネットワークの活動は低下するというのです。鬱の状態ではこれがみられないと語っているようなのです。脳のシステムの間でのgive-and-takeの関係が妨げられているというのです。切り換えがうまくいっていないともいえます。

 

緊張続きのストレスをかかえ、脳が休息モードに入れない、胸が苦しいと訴える患者さん、デフォルト・モードに脳が入れないことが問題なのかもしれません。

 

 

Marcus E. Raichleは「The Brains Dark Energy(脳のダーク・エネルギー)」のなかで、デフォルト・モードの揺らぎはオーケストラを指揮するタクトのように、」さまざまな楽器のパーツをリードするリズムをつくりだしているようなものと表現しています。脳は、五感や内部環境に関わる領域をはじめ、記憶、情動、感情、思考、行動、等々、複雑極まりないはたらきが統合されていますが、その基調となるはたらきを創出していることになります。

 

Marcus E. Raichleの「Two views of brain function(脳機能の二つの様相)」という論文もネットで見つけられました。このなかのデフォルト・モード・ネットワークの揺らぎを見てみますと、1分間に56回の周期で揺らいでいます。

リンパ系には89/分の揺らぎ、脳脊髄液にはサザランド波(12/分)があるとされていますが、56/分というのは脳の固有の揺らぎとみなすことができるのかもしれません。しかもそれはきわめて高度に組織化されたネットワークでの揺らぎであって、脳のノイズではありえないのです。生命活動は律動性に満ちています。

 

身体呼吸療法は寝ているときの深い呼吸運動へと導きますが、被験者(患者さん)は眠りに落ちるように心身とも深く休息状態に入ります。ところが終わった後に訊きますと、たいてい寝ていたことを否定されます。なかには明らかに寝息をたてて眠りに落ちる人もいるのですが、施術されている間、終始、覚醒していたと話される人が多いのです。眠っているようで眠ってはいない、そのときあらわれる身体の揺らぎは、脳のデフォルト・モードと深く関わっているのでしょう。

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コメント
from: 土川三郎   2014/05/22 4:59 PM
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from: 大場   2014/05/23 9:49 AM
土川様
お役に立つようでしたらどうぞ
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